平成29年税制改正要望その1

9月に入りましたが、まだまだ暑い日は続きますね。

ただジメジメした感じはなくなってきたので、だいぶ過ごしやすくなってきました。

 

ここ2,3日で各省庁の平成29年税制改正要望が公表されています。

その中で相続税に関連する改正要望をご紹介していきたいと思います。

まず最初は、金融庁から出された要望について取り上げます。

http://www.fsa.go.jp/news/28/sonota/20160831-3.html

 

金融庁から出された要望には

■積立NISAの創設と投資可能期間の恒久化

■デリバティブ取引、預貯金等への損益通算範囲の拡大

■外国子会社合算税制(CFC税制)の見直し

■クロスボーダーの債券現先取引(レポ取引)に係る税制の見直し

■企業年金等の積立金に対する特別法人税の撤廃  等

が出されていますが、今日取り上げる要望はこちらです。

 

上場株式等の相続税評価の見直し

現状の相続税の評価は、①相続が発生した日の株価 or ②相続が発生した月の平均株価 or ③発生月の前月の平均株価 or ④発生月の前々月の株価 の①~④中で最も低い株価で評価されます。

4つの株価の中から最も有利な株価に株数を掛け合わせた時価がそのまま評価額となります。

これに対して土地の評価は、一般的に土地の売買の参考にされると言われる公示価格の80%程度の路線価が使われます。

そして、建物の評価は建築価額の50~70%程度といわれる固定資産税評価額が使われています。

 

金融庁の主張としては、

◇上場株式等が土地や建物と同じ価格変動リスクを持つ資産であるにもかかわらず、土地・建物は時価よりも安い価格で評価されるのに、上場株式等は時価の100%で評価されるのはおかしい。

◇遺産分割が決定するまでは処分することもできないし、相続税は申告期限が10か月もあるのだから、申告、納税するころには価値が下落してしまう可能性もある。

ということで、上場株式等についても時価の90%で評価できるように変えてくださいというのが、この要望です。

裏の意図としては、「相続対策でマンション等を購入するように上場株式等も投資されるようになったらいいな」というところでしょうか。

 

お客様からも遺産分割を決める頃に上場株式等が値下がりしてしまっていて、「今の時価で評価できないの?」というようなお問い合わせをいただいたことも何度かありました。

たしかにお客様からしたら、高い時の株価で相続税は課税されて、実際に処分できる頃になったら目減りしていたのでは腑に落ちないと思うでしょう。

 

昨年も金融庁は70%評価で要望を出していましたが、見送られてしまったので今年は引き下げ幅を70%⇒90%の小幅にして妥協案を出したようです。

最近は、富裕層への課税が厳しくなっているので、このような富裕層が得をする税制は通りにくいかもしれませんね。

年末の税制大綱の発表が楽しみです。

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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今村章太郎公認会計士・税理士事務所

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