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相続税の配偶者控除|適用要件や注意点についてわかりやすく解説

相続税には様々な控除制度が存在するので、全ての相続で相続税が発生するわけではありません。

控除金額が相続する財産の評価額を上回るのであれば、相続税は発生しません。

いくつかある控除のうち、ここでは配偶者控除についてみていきましょう。

相続税について

 

相続とは、亡くなった人が死亡した時点で所有していた資産や借金などを、配偶者や子どもなど生前関係の深かった人が引き継ぐことです。

この財産の引継ぎに対して発生するのが相続税であり、財産を相続する人に対して課税されます。

ただし、適用される各種控除の金額を相続する財産の評価額が上回る場合にのみ発生します。

配偶者控除とは

 

配偶者控除とは、納税者に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合に、一定の金額を上限として所得控除が受けられる制度です。

具体的には、配偶者の相続財産評価額が16,000万円、もしくは法定相続分の範囲内までは相続税が非課税になります。

 

例えば妻が1.3億円を相続する場合、妻は所得税法上の控除対象者ですので、配偶者控除が適用されます。

従って1.3億円は非課税です。

配偶者控除の適用要件

 

最大1.6億円という大きな金額が非課税になるのが魅力の配偶者控除制度ですが、当然適用するための条件が存在します。

それは、「控除対象配偶者」としての要件を満たしているかです。

具体的には、その年の1231日時点で、次の4つの要件のすべてに当てはまる必要があります。

 

①民法の規定による配偶者である(内縁関係は不可)

②納税者と生計を一にしている

③年間の合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)である(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていない。

または白色申告者の事業専従者でないこと。

 

これら4つの要件全てを満たしている人が、配偶者控除の適用を受けることができる「控除対象配偶者」となります。

配偶者控除の注意点

 

配偶者控除の適用を検討する場合には、注意するべきことがあります。

それは二次相続への影響です。

例えば次のようなケースで、配偶者控除が二次相続に与える影響をみていきましょう。

 

〇相続財産財産額15,000万円

〇親子4人家族

 

被相続人である父親が亡くなると、一次相続が発生します。

その後配偶者である妻が亡くなると二次相続が発生します。

この場合、①一次相続において母が15,000万円を単独で相続するケースと、②法定相続分の7,000万円を相続するケースが考えられます。

 

①のケース

・一次相続時  相続税0

・二次相続時  相続税1,840万円

・合計 : 1,840万円

 

②のケース

・一次相続時  相続税0

・二次相続時 相続税395万円

・合計 395万円

 

①、②ともに控除金額の16,000万円を下回りますので、相続税の発生はありません。

二次相続では、母が相続した財産を、子ども二人で相続することになります。

しかし、二次相続においては配偶者控除を使うことができず、相続人の数も一次相続時より減るため、基礎控除額(1)が減少します。

 

1 基礎控除は、「3,000万円 + 法定相続人の数×600万円」で計算されます。

例えば親子4人家族で父親が7,000万円の財産を残して亡くなった場合、基礎控除額は3,000万円 + 3人×600万円 = 4,800万円になり、控除額を超えている3,200万円のみが課税対象となります。

相続に関するご相談は今村章太郎公認会計士事務所におまかせください

 

相続税の配偶者控除の適用は、後々発生する二次相続のことまで考えて検討する必要があります。

目先の1.6億円の控除金額に目がくらんでしまい、安易に配偶者控除の適用に飛びつかないように注意が必要です。

適用を検討している場合は、会計税務の専門家である公認会計士や税理士に相談することをお勧めします。

 

今村章太郎公認会計士事務所では、多くの皆様の相続税のご支援をさせていただいた実績がございます。

相続税の配偶者控除など、相続に関することでお悩みの皆様は、お気軽にお問い合わせください。

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税理士紹介Tax Accountant

今村章太郎税理士
公認会計士・税理士今村 章太郎

仕事を通してお客様を笑顔にしたい

私は公認会計士試験合格後から主に上場企業の決算をチェックする監査業務に8年間携わりました。

日本経済の秩序を守る社会的責任のある仕事ですが、お客様と同じ目線に立って仕事をしたいと思い、税理士業界の門をたたきました。

前職の税理士法人では、相続税申告をはじめ、法人顧問、事業承継コンサルティング、個人確定申告、大手金融機関でのセミナー講師など幅広い業務を経験しました。

その中でも相続の業務は奥が深く、お客様のお役に立てる実感が最も得られた仕事でした。

相続は一生のうちに何回も経験するものではありません。

お客様は最初とても不安そうな面持ちでご相談にいらっしゃいます。

そこで、私が心がけているのは、わかりやすい言葉で丁寧にご説明することにより、お客様の不安を少しでも和らげることです。

お客様の不安を取り除き、故人の財産や思いをつなげることにより、お客様が笑顔になることが、私の最大の喜びです。

1人でも多くのお客様が安心して相続を終わらせ、笑顔で明日を迎えられるサポートができれば幸いです。

所属団体

  • 日本公認会計士協会(登録No.22268)
  • 日本税理士連合会(登録No.128127)

経歴

  • 1982年 新潟県生まれ、埼玉県出身
  • 2004年 中央大学商学部卒業、公認会計士試験合格
  • 2006年 あずさ監査法人(現有限責任 あずさ監査法人)入所
  • 2008年 公認会計士登録
  • 2012年 辻・本郷税理士法人入所
  • 2014年 税理士登録
  • 2016年 今村章太郎公認会計士・税理士事務所設立

事務所概要Office Overview

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